2022年末に上海でのPHEVの優遇政策が終了し、ナンバー取得は他のガソリン自動車と同じようにオークションで取得することになります。駆け込み需要も発生しているようですが、他の都市での動向も含めて記載します。
2022年末で上海市のPHEVのナンバープレート優遇政策が終了
上海は中国の中でも先進的に政策を進めていく都市で、2022年12年31日に中国全土で初めてPHEVの優遇政策を終了します。この政策は2021年2月に「上海市鼓励购买和使用新能源汽车实施办法」において上海市より公布されました。上海の動向を見て、今後中国国内で他の省が追随していくことは十分に考えられます。
これまで上海市ではPHEVは新規でナンバーを取得する場合(個人でNEV専用ナンバープレート枠を使用していない場合)、ナンバープレートの取得が優遇されていました。しかしながら、2022年12月31日でこの優遇が終了します。一方でBEV(純粋な電気自動車)、燃料電池車に関してはナンバー取得の優遇は継続されます。今後、上海市において通常のガソリン車と同様にナンバーを取ろうとする場合、上海市のナンバープレートのオークションに参加する必要があり、最低でも9.15万元(1元=20円で換算すると183万円)の金額が追加で必要となります。
国のPHEVに対する補助金も終了
2022年中は、純電気航続距離が50キロメートル以上のPHEVに約4,800元の補助金が支給される予定ですが、2023年にはこの補助金も廃止される予定です。
他の都市の政策変更状況は?
中国で人口の多い都市である広州市、重慶市、北京市、杭州市、武漢市、成都市、天津市、西安市について弊社で調べたところ、他の都市ではまだPHEVに対するナンバー取得優遇政策の終了はアナウンスされていないようです。今後何か変化がありましたら随時更新致します。
ちなみに北京市では現在ガソリン車に対するナンバープレートの配布は抽選方式で1%未満の当選確率、深圳市では上海市と同じくオークション制で、平均4.4万元です。
あとがき
今回のPHEVの優遇装置の撤廃の背景には、ナンバー取得のためだけにPHEVを購入して、走行時にはほとんど充電せずにガソリンで走っているユーザーが多いという現象が起きてしまっていることがあります。PHEVで充電せずにガソリンで走っているというのは、重いバッテリーとモーターを積んでいるただのガソリン車のようになってしまい、普通のクルマより燃費が悪くなってしまうので本末転倒なのです。当局もこの点を憂慮して今回の判断に至ったものと考えられます。正しく使えばPHEVは有効であることは間違いありませんが、中国の都市部においてはPHEVは一気に減少するという現象が見られるのではないかとBSTは予測しています。
情報ソース
・上海市人民政府办公厅关于转发市发展改革委等五部门制订的《上海市鼓励购买和使用新能源汽车实施办法》的通知
・图解:上海发布新一轮新能源汽车推广应用政策,免费专用牌照政策延续至2023年 (shanghai.gov.cn)
・上海混动免费绿牌政策即将到期,有的车商已暂停销售部分车型,有的还在紧急调货