[2022年上期] 中国における新エネルギー車(NEV)の市場規模と中国国外への輸出状況

中国では電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車をまとめて新エネルギー車(NEV)と呼んでおり、このカテゴリは優先的なナンバー登録や補助金など国を挙げて普及が進められています。2022年は上期だけで2021年の生産・販売実績を超えるなど、顕著な伸びを示しています。このカテゴリの2022年上期の市場規模や中国国外への輸出状況などの中間報告をこれから見ていきましょう。

※この記事は以下の記事を基にブルースカイテクノロジー株式会社が執筆しています。
2022年中国新能源汽车行业市场现状预测分析: https://www.askci.com/news/chanye/20220909/1800131979514.shtml

はじめに:中国ビジネス産業研究院の総評

中国の中国ビジネス産業研究院(中商产业研究院)からは下記の様な総評が出ています。今後も中国の新エネルギー車市場の見通しは明るいと予想されています。

中国は現在、世界最大の新エネルギー車市場であり、2021年の新エネルギー車販売台数は352万1千台に達し、世界の新エネルギー車販売のほぼ半分を占めると予想されています。 中国の新エネルギー車市場は、国家政策の支援とバッテリー技術、インテリジェント制御技術、テレマティクスの発展により、今後も高い成長が期待され、明るい未来が待っています。

中商产业研究院 2022年中国新能源汽车行业市场现状预测分析:渗透率进一步提升(图)-中商情报网 (askci.com)

統計:新エネルギー車の市場と輸出状況

ここからは新エネルギー車の市場と輸出状況を見ていきましょう。

新エネルギー車の生産・販売

2015年より電気自動車とプラグインハイブリッド車、燃料電池車を合わせた市場は中国が世界一位となっていましたが、2022年の上期の生産・販売実績は2021年通年の実績を上回っており、市場はさらに急成長していることが判ります。また、この市場に対応した生産能力を中国は既に有しており、中国は世界的に見て新エネルギー車大国となっています。中国汽車工業協会(CAAM)のデータによると、2022年1月から8月までの間に、新エネルギー車の生産は397万台、販売は386万台を記録し、前年同期比でそれぞれ1.2倍、1.1倍となっています。特に2022年8月には、新エネルギー車の生産と販売はそれぞれ69万1000台、66万6000台を記録し、月間生産と販売が再び過去最高記録を更新しました。

データ出典:中汽协、中商产业研究院

新エネルギー車市場浸透率

中国における新エネルギー車の市場浸透率は2021年を境に成長率が上昇し続けています。2022年上半期の市場浸透率は21.6%に達しており、中国政府の政策の成果が市場に表れています。 中国汽車工業協会(CAAM)によると、2017年から2021年にかけて、中国における新エネルギー車の市場普及率は2.7%から13.4%に大きく上昇し、2022年も継続して上昇しています。

データ出典:中汽协、中商产业研究院

新エネルギー車のセグメント別市場占有率

こちらは2021年の電気自動車の生産比率です。純粋な電気自動車が全体の80%を超えています。もともと中国では電動バイクが10年以上前からよく走っており、電気自動車の購入に対する心理的ハードルも日本に比べ低く、市場が受け入れやすい素地が整っていると考えられます。次いでプラグインハイブリッド車は17%, 燃料電池車は0.05%となっています。水素というインフラが必要となる燃料電池車の生産はまだまだ少ないことを示しています。

データ出典:中汽协、中商产业研究院

純粋な電気自動車の生産・販売

中国の純粋な電気自動車生産・販売台数は過去最高記録を更新し、7年連続で世界第1位の市場となっています。NEV全体の8割を超えている電気自動車ですが、NEV全体で2021と2022上期を見たグラフと電気自動車単体の2021と2022上期のグラフを比較すると、電気自動車単体の伸びが少し小さく、2022上期では電気自動車よりもプラグインハイブリッド車の生産・販売のほうが伸びていることが見て取れます。2020から2021年にかけては約3倍に生産販売台数が増加しており、伸び率は少し鈍化しているのかもしれません。それでも前年同期比100%増加と大きな伸びを示しています。中でも8月単月の生産・販売の前年同期比はそれぞれ前年同期比110%、90%増となっています。

データ出典:中汽协、中商产业研究院

プラグインハイブリッド車の生産・販売状況

プラグインハイブリッド車の生産・販売は2020と比較して2022上期時点で既に3倍を超えており、順調に増加しています。電気自動車の生産販売台数は2020年と2022年比で約3倍でしたが、プラグインハイブリッド車も同じような伸びとなっています。プラグインハイブリッド車は2021も2022年も同様の伸びを示しており、生産・販売はそれぞれ前年同期比190%、170%増に、8月単月でみると、15万5千台、14万4千台となり、それぞれ前年同期比で170%、160%増加しています。

データ出典:中汽协、中商产业研究院

燃料電池自動車の製造・販売状況

一方で燃料電池車の製造・販売は2019年をピークに減少した後、再度増加してきている状況です。こちらも2022年上期で2021年の年間実績を上回っており、2022年は前年に比べ大きな伸びを見せています。2022年1月から8月まで、燃料電池車の生産と販売はともに0.2万台を達成し、前年同期比でそれぞれ200%増、160%増になっています。2022年8月単月でみると、燃料電池車の生産と販売はそれぞれ97台、255台で、前年同期比でそれぞれ140%増、570%増となっています。

データ出典:中汽协、中商产业研究院

新エネルギー車の輸出状況

威来(NIO)、理想汽車(LEADING IDEAL)、小鵬(Xiaopeng)はアメリカのナスダックに上場し、BYDは日本での販売も公式にアナウンスするなど、中国国外の市場にも中国の自動車メーカーは積極的に進出しています。中国の新エネルギー車の輸出も中国国内同様に大きな伸びを示しており、2022年上期は全体の生産台数の1割程度が輸出されている計算になります。2022年1月から8月までの新エネルギー車の累計輸出台数は33万9000台で前年同期比97.4%増となり、大幅に増加しています。2022年8月単月でみると、新エネルギー車の輸出台数は8万3000台で前年同期比82.3%増となっています。

データ出典:海关总署、中汽协、中商产业研究院整理

あとがき

新エネルギー車への補助金政策は2022年度末で終了し、2023年からは廃止すると発表されています。補助金廃止に伴う新エネルギー車の販売への影響や、燃費規制をクリアするために導入が進むと予想される省エネルギー車の市場の変化など、今後も電動車両全体としての動向に注目していきたいと考えています。

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